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妊婦さんお役立ち情報

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妊娠・授乳中のインフルエンザワクチン

毎年12月になると多かれ少なかれインフルエンザが流行します。そして、1月にはいって爆発的な患者数の増加を示して1月下旬から2月にピークを迎えた後、急速な患者数の減少を経て4月上旬には終息します。咳やクシャミで飛び散ったインフルエンザウィルスを吸い込み、これが鼻やノドの粘膜に付着する飛沫感染が主な感染経路です。粘膜に付着したウィルスは20分以内に細胞内に取り込まれウィルスが増殖し、この増殖したウィルスが周辺細胞に広がります。1~3日の潜伏期間の後、38~39℃の高熱、頭痛、筋肉痛、全身倦怠などの全身症状があらわれ発症します。症状後48時間以内の抗インフルエンザウィルス薬の使用により発熱期間の短縮、ウィルス排出量の減少、また重症化を予防することできるようになりました。しかし、インフルエンザには罹らないことが一番で、ワクチンによる予防が大切と考えられます。
ワクチン製造の過程でわずかながら卵由来の成分が残存してしまいます。これによる卵アレルギーの副反応がごくまれにみられます。過去に卵でアレルギー(蕁麻疹や発疹、口の中がしびれたなど)がでた方に対しては、接種を避けるか、注意して接種する必要があります。

Q1. インフルエンザワクチンは本当に効果があるのか?

インフルエンザワクチンの最も大きな効果は「重篤な合併症や死亡を予防し、健康被害を最小限にとどめること」です。ワクチンの効果は有効率で表し、ワクチン接種をしなかった場合におこる危険をどのくらい減らすことができるかという形で評価します。2015/16年シーズンの研究では「有効率は60%」と報告されています。これは、「ワクチン接種者100人のうち60人が発症しない」ということではなく、「ワクチン接種を受けずに罹患した人の100人のうち60%・60人は接種を受けていれば重症化を予防できた」ということです。インフルエンザワクチンには、「発病」を抑える効果が一定程度認められていますが、麻しんや風しんワクチンで認められているような高い発病予防効果を期待することはできません。また、有効率が60%という数字だけで判断すれば、接種を見合わせるという意見があるのも否定はしません。

Q2. 妊娠中のワクチンは安全?赤ちゃんへの影響はないの?

妊婦はその特徴から合併症を起こし重症化する可能性が高くワクチン接種による感染予防が大切で不可欠なことと考えられます。新型インフルエンザが騒がれたシーズンは、厚生労働省の検討会で妊婦はハイリスク群として位置付け接種対象者に含まれていました。また、日本医師会の見解でも妊婦はワクチン接種不適合者に指定されていません。日本産科婦人科学会の診療ガイドラインにおいても有効性とされ、母体胎児への危険性は妊娠全期間を通じて極めて低いとされています。米国疾病予防局(CDC)、米国産婦人科学会も、妊娠予定、妊娠中の女性へのワクチン接種を推奨しています。欧米では以前より妊婦に対するインフルエンザワクチンの接種は必要であり当然のことと考えられていましたが、ここ数年日本でも一般的になりました。また、妊娠中ワクチン接種により、生後6か月までの児のインフルエンザの罹患率を減少させるとの報告もあります(授乳中の接種では効果なし)。生後6か月未満の乳児に対するワクチン接種は認められていないため、妊婦へのワクチン接種は妊婦と乳児の双方に効果をもたらす可能性もあります。

Q3. 授乳中でも接種はできるの?

授乳婦人は、ワクチン接種が必要なハイリスク(重症化する危険が高い)グループには含まれていません。授乳をしていない他の人たちと同じ危険性であれば、ワクチン接種が特に必要とはいえないという考えです。しかし、授乳中のお母さんにとっては必要がないとしても、母乳をのんでいる赤ちゃんにとってはどうでしょうか。もしお母さんがインフルエンザに罹れば、お母さんの顔の近くで母乳をのむお子さんにもインフルエンザがうつる可能性は十分考えられます(母乳を介してうつることはありません)。実際お母さんからの二次感染で赤ちゃんが重症なインフルエンザになったという報告もあります。代表的なインフルエンザ治療薬の”タミフル”などは「授乳は可能」とする報告もありますが、薬の説明書では「授乳中の婦人には投与しない」「投与する場合には授乳は避ける」とされています(当院では授乳可能と判断しています)。したがって授乳中の方もインフルエンザに罹らないようにするのが一番大切なことといえます。

Q4. 妊婦・授乳婦人に接種しても本当に安全?

特に妊婦・授乳婦人だけに起こる有害事象はなく、日本含め先進国で妊婦を接種対象としていない国はありません。
外国における過去7年間の観察期間でも少なくともワクチンは子供の発育を含めマイナスの報告はありません。

Q5. インフルエンザワクチンの副反応の問題は?

免疫をつけるためにワクチンを接種したとき、免疫がつく以外の反応がみられることがあります。これを副反応といいます。季節性インフルエンザで比較的多くみられる副反応には、接種した場所(局所)の赤み(発赤)、はれ(腫脹)、痛み(疼痛)等が挙げられます。接種を受けられた方の10~20%に起こりますが、通常2~3日でなくなります。全身性の反応としては、発熱、頭痛、寒気(悪寒)、だるさ(倦怠感)などが見られます。接種を受けられた方の5~10%に起こり、こちらも通常2~3日でなくなります。
また、まれではありますが、ショック、アナフィラキシー様症状(発疹、じんましん、赤み(発赤)、掻痒感(かゆみ)、呼吸困難等)が見られることもあります。ショック、アナフィラキシー様症状は、ワクチンに対するアレルギー反応で接種後、比較的すぐに起こることが多いことから、接種後30分間は接種した医療機関内で安静にしてください。また、帰宅後に異常が認められた場合には、速やかに医師に連絡してください。
そのほか、重い副反応の報告がまれにあります。ただし、報告された副反応の原因がワクチン接種かどうかは、必ずしも明らかではありません。
重い副反応として、ギラン・バレー症候群、急性脳症、急性散在性脳脊髄炎、けいれん、肝機能障害、喘息発作、血小板減少性紫斑病等が報告されています。
https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou01/qa.html (厚労省インフルエンザQ&A)

Q6. 防腐剤として使用されるチメロサール(エチル水銀化合物)とは?

現在チメロサールによる副作用は局所の発赤や腫脹などの皮膚過敏症がみられるだけで、重篤な副作用や長期的な健康被害は起こっていません。またチメロサール含有のワクチンは1930年ごろから使用されていますが、妊娠女性に接種した場合にも安全性に問題はないと報告されています。しかし、より高い安全性を求め日本においてもWHO、米国、欧州と同じくチメロサールをワクチンにできるだけ添加しない方向にあります。 これらのことを考慮し、当セイントクリニックでは原則チメロサールを含まないものを使用します 。

Q7. 接種する時期、回数は?

  1. 妊娠中の方の場合・・・妊娠全期間を通して可能です。また妊娠予定の方も可能です。
  2. 授乳中の方の場合・・・いつでも可能です。ただし分娩直後は体調をみて判断します。
  3. 接種回数は妊娠中の方、授乳中の方とも1回接種となります。

妊娠・授乳中の花粉症

毎年2月になると花粉症の方が急増します。花粉症は、アレルギーをひき起こす植物の花粉が鼻や目などの粘膜を刺激し、かゆみやくしゃみ、鼻水などを引き起こすアレルギー疾患です。花粉に晒されると体内では花粉を撃退する抗体が作られ徐々に増えていきます。この抗体を入れるアレルギーのコップがいっぱいになり、コップからあふれるようになると花粉症が発症します。現在、花粉症を発症していない方も「私は大丈夫!」と安心しないでしっかりと花粉症対策をして将来の発症を予防しましょう。

すぐにでもできる花粉症対策

その1.まずはマスク、ゴーグルの着用

体の中に取り込まないために、花粉症の季節が近くなったら必ず用意しておきたいアイテムです。

その2.外出はできるだけ控える

風の強い日は、花粉もたくさん飛んでいます。そんな時は、できるなら外出は避けたいですね。
特に、よく晴れている、気温が高い、湿度が低い、雨上がりの‘翌日’は、花粉が多く飛びやすくなります。

その3.花粉は玄関先で払う

外出から戻ってきて家に入る時には、ブラシで花粉を払ってから入室します。花粉は髪の毛にもたくさん付着します。髪の毛も忘れないように。玄関先である程度花粉を落としたら中に入りコロコロをするとより効果的です。家族の方にも協力してもらい、花粉の持ち込みを減らしましょう。

その4.服装にも工夫を

毛の付いた衣服や静電気が発生しやすい素材の着用は避けましょう。具体的にはポリエステル、ナイロン、ビニール、レザーといった表面がツルツルとした素材を着用するのがお勧めです。また、花粉は静電気があると付着しやすいので、静電気防止スプレーをお出かけ前に使用するのも効果的です。

その5.洗濯物は部屋干しを

洗濯物を外に干すとどうしても花粉がついてしまいます。少しでも花粉をつけないようにするには部屋干しにするほうがよいでしょう。もし、どうしても外で干したいという場合は洗濯物を取り込むときに、忘れず花粉を落とすようにしましょう。

花粉症の薬

器官形成期(妊娠4~7週)に限らず原則として妊娠15週までは、薬の使用は慎重にしましょう。

その1.内服薬

漢方薬の小青竜湯は使用される頻度の高い薬です。当院でも花粉飛散時期の予防的投与や症状が軽度な場合に処方しています。小青竜湯無効時、症状が悪化した場合にはアレルギーの治療に使用される抗ヒスタミン薬を処方します。第二世代抗ヒスタミン薬は、第一世代抗ヒスタミン薬に比べて眠気などの副作用が出にくいため、基本的に第二世代抗ヒスタミン薬(セチリジン塩酸塩)を処方しています。

その2.点鼻薬、点眼薬

点眼薬や点鼻薬はおなかの赤ちゃんに影響を与えることはほとんどないと考えられます。

妊娠中の歯科治療はどうすればいいの

妊娠中は、ホルモンバランスの変化により唾液の分泌量が減少し、つわりによる食生活の乱れと不十分なオーラルケアも加わり歯肉炎や歯周病を引き起こしやすくなり虫歯のリスクも上昇します。そして、妊娠中の女性が歯周病に罹ってしている場合、早期低体重児出産のリスクが7倍も高まるという報告があります。
妊娠中でも歯科治療は可能です。抗生物質、鎮痛剤の一部に使用できない薬剤がありますが、その他は妊娠されていない方と同じです。必要がある場合には、ちゃんと治療を受けましょう。妊娠初期に歯周病などの気になる症状がある場合は、母体の負担にならないような応急処置をしてもらい、安定期になってから治療をはじめるといいでしょう。

Q1.局所麻酔は使用できる?

妊婦さんは血管が太く血液の流れが豊富になっていますが、局所麻酔剤使用時の一般的な注意事項を守っていただければ、妊婦であるために使用できないということはありせん。また出血を抑えるための成分(エピネフリン)が添加された麻酔剤でも十分使用可能と考えます。

Q2.鎮痛剤は使用できる?

原則としては使用を避けるのが基本的な考え方と思いますが、屯用であれば使用可能です。一般的に使用されているロキソプロフェンナトリウム(ロキソニン)やジクロフェナクナトリウム(ボルタレン)、メフェナム酸(ポンタール)は妊婦さんには使用できません。使用する場合にはアセトアミノフェン(カロナール)がもっとも安全と考えます。

Q3.抗生物質は使用できる?

抗生物質の中のセフェム系、ペニシリン系といわれる種類に使用できるお薬がありますので、そちらを処方してもらいましょう。
ただし服用は必要最小量で。

Q4.レントゲン検査は大丈夫?

腹部シールドを使用していただければ問題はありません。また、妊娠が判る前に検査を受けたとしても問題はないと考えられています。

Q5.妊娠中のオーラルケアはどうすればいいの?

  1. つわりで歯磨きが辛い場合は、体調がよい時に合わせ歯を磨いておきましょう。
  2. 口の中が乾燥していると、歯周病の原因となる細菌が繁殖しやすくなります。
    こまめに水分を摂ってお口の中を潤しましょう。ただし、糖分を含むジュースや炭酸飲料、牛乳などの乳飲料は、歯垢ができる原因となるため、お水やルイボスティーのようなノンフェイン、無糖の飲み物が良いでしょう。
  3. ガムを噛むことで、唾液腺が刺激されて唾液の分泌が促されます。キシリトールの含有率が高いガムを選ぶと安心です。

風疹について

風疹は飛沫により感染し、発熱と皮疹を主徴とするウィルス感染症です。感染してから症状が出現するまで14~21日で、発症数日前から発症5~7日後までが感染力がある期間とされています。母体の早産などの妊娠経過には影響はありませんが、胎児感染を起こすと先天風疹症候群を引き起こします。妊娠中の有効な風疹予防対策はなく、妊娠前、出産後に将来の妊娠に備え予防接種を受けることをお勧めします。

先天風疹症候群(CRS)

先天風疹症候群は心疾患、白内障、難聴を3大症状とする先天性の疾患です。心疾患、白内障は妊娠3か月以内の感染で見られることが多いとされています。一方、難聴は初期から妊娠6か月までの感染でも起こり高度難聴となることもあります。2か月までは3大症状を、3か月以降は難聴と網膜症のみを持つことが多くなります。3大症状以外には、網膜症、肝脾腫、血小板減少、糖尿病、発育遅滞、精神発達遅滞、小眼球など様々な症状が見られます。母親が顕性感染した妊娠月別発生頻度は、妊娠1 カ月で50%以上、2カ月で35%、3カ月で18%、4カ月で8%程度と言われ、妊娠20週以降では異常が見られないとの報告が多いです。

先天風疹症候群にならないために

①妊娠中の過ごし方

妊娠中の具体的な予防対策は残念ながらありません。妊娠初期の検査で風疹に罹ったことがないことが判っても、妊婦さんは風疹ワクチンの予防接種は受けられないので、次の様なことに心がけて生活しましょう。

❖妊娠中は、感染する可能性が高い人ごみを避けるようにしましょう。仕事などで外出する必要があるときはマスクをつけ、帰宅したら手洗いとうがいを必ず行ってください。

❖家族に風疹の予防接種を受けてもらいましょう。旦那さんや子供など、同居する家族が風疹に感染してしまうと、妊婦さんも感染してしまう可能性があります。20代から40代のパパ世代(1979年4月2日1987年10月1日生まれ)は、風疹の予防接種を受けている割合が極めて低く、風疹にかかる可能性は高いので要注意です。

②将来の妊娠に備えて風疹ワクチンを

ドラマ「コウノドリ」の中で大森南朋さん演じる新生児科医師が、「先天性風疹症候群は怖いというよりとても悔しい障害」と語ったように、たった1本のワクチンで防ぐことができたはずの障害なのです。今回の妊娠で風疹抗体がない又は低いと診断された方は産後に、結婚を予定されている方、妊娠を希望される方は風疹抗体がないことが確認できた時には風疹の予防接種を受けましょう。なお、予防接種を受けた場合には、2~3か月は避妊をしてください。
ご主人も風疹抗体がない場合には、一緒に予防接種を受けましょう。

妊娠中の痛み止めはどうしたらいいの?

妊娠中でも頭痛、腰痛、歯痛や怪我などで鎮痛剤を使用したくなることがあると思います。以前は様々な鎮痛剤を使用されていましたが、現在は以前使用された鎮痛剤でもいろいろ制限があります。市販薬でも下記に示したものと同じ成分の薬はありますが、自己判断で服用せず必ず医師に相談してください。

Q1.一般的鎮痛剤の種類と妊婦への影響は?

薬の成分 商品名(一部) 妊婦への使用について
アセトアミノフェン カロナール、コカール 記載なし(有益性投与)
ロキソプロフェンナトリウム ロキソニン 妊娠末期は禁忌
ジクロフェナクナトリウム ボルタレン 妊婦は禁忌
メフェナム酸 ポンタール 妊娠末期は禁忌
インドメタシン インダシン、インテバン 妊婦は禁忌
イブプロフェン ブルフェン 妊娠後期は禁忌
アセチルサリチル酸 バファリン 分娩予定日12週以内の妊婦は禁忌

Q2.鎮痛剤は使用できる?何を使えばいいの?

一般的に使用されているロキソプロフェンナトリウムやジクロフェナクナトリウム、メフェナム酸は妊婦さんには使用できません。使用する場合にはアセトアミノフェンがもっとも安全と考えます。でも、妊娠に気付かず数回服用してしまったからと言って過剰に心配する必要はありません。数回の服用で赤ちゃんに問題を起こすことはありません。
鎮痛剤に限らずどんな薬であっても妊娠中は原則としては使用を避ける、必要最小限の使用にとどめるのが基本的な考え方です。でも、どうしても我慢できない場合には屯用であれば使用は可能なのでご相談ください。

Q3.シップ薬は?

鎮痛剤成分を含まないものと含むものがあります。皮膚から吸収される鎮痛剤の成分は少量で、短期的に使用したからと言って問題となることはほとんどないと思われますが、安全性を優先すればやはり鎮痛剤を含まないものを使用しましょう。でも、長期に漫然と使用することは避けましょう。

便秘対策

生理の10日くらい前になると急に便秘になり、生理が来ると便秘が解消された経験はありませんか。これは排卵により卵巣から分泌されたプロゲステロンが、月経発来とともに減少するからです。プロゲステロンは妊娠中に大量に分泌され、妊娠維持するために大変重要な働きをしていますが、腸の動きを弱めてしまう作用もあります。また、つわりで食事が摂れずに排泄できる量が減る、食事の好みが変わる、定期的に運動をしていた人が激しい運動を避けるなど妊娠によってライフスタイルが変化して便秘になりやすくなります。大きな妊娠子宮による圧迫、排便時にいきむことへの不安などが便秘を悪化させます。
日常の中での便秘対策、妊娠中でも使用できる薬について説明します。

すぐにでもできる便秘対策

その1.毎朝の水分補給

排便には十分な水分が欠かせません。プロゲステロンは体の中に水分をため込む(むくみやすい)ため便が硬くなるので積極的に摂取することが大切です。朝起きたらまず、コップ一杯の水や牛乳を飲むようにしましょう。睡眠中に消費した水分不足が解消できるだけでなく、胃腸が刺激されて動きが活発になり、排便が促されます。

その2.毎朝の排便習慣をつける

毎日決まった時間にトイレに座る習慣を始めてみましょう。トイレに行くと自然と体が反応して便意が促されるようになります。トイレに行く時間は便意を催しやすい朝食のあとがおすすめです。朝の時間にゆとりをもって、トイレの時間を確保しましょう。最初は便意がなくても、続けているとリズムがついて便秘解消に効果的です。また、トイレは我慢しないことが大切です。

その3.積極的に食物繊維を摂取する

食物繊維には水分を含み、便を柔らかくする働きがあります。腸内で水分を取り込んで数十倍に膨らみ腸壁を刺激して腸の動きを活発にしてくれる不溶性食物繊維と、胃や腸で吸収されずに硬くなった便をやわらかくしてくれる役割のある水溶性食物繊維があります。それぞれ役割が異なるのでどちらも摂ることが大切です。

不溶性食物繊維:玄米やオートミールなどの穀物や雑穀類、豆やかぼちゃ、ごぼうなどの根菜類
水溶性食物繊維:熟した果物・かぼちゃ・キャベツ・大根、昆布・わかめ・もずくなどの海藻類

その4.適度な運動をする

妊婦さんでもできる「適度」な運動をすることで、腸の動きが刺激されて便秘解消に効果的です。激しい運動をする必要はなく、ウォーキングやマタニティヨガ、ストレッチなど、軽く汗をかくくらいで大丈夫です。週1~2回ほどいいので継続して体を動かす習慣をつけましょう。
切迫早産の兆候がある人は、医師に相談してから運動するようにしてくださいね。

その5.腸内環境を整える

乳酸菌はヨーグルト・チーズなどの乳製品、納豆、味噌、漬物、キムチなどの発酵食品にも多く含まれます。乳酸菌は腸の働きを整え、便秘解消に役立ちます。ヨーグルトは食べやすくておすすめですが、脂質や糖質の過剰摂取にならないように、無糖タイプ・プレーンを選んで、果物やドライフルーツ(食物繊維)、はちみつなどで甘さを調整して食べるといいでしょう。最近は乳酸菌のほかビフィズス菌も注目されています。やはり、ヨーグルトや乳製品がおすすめですね。

便秘の薬

妊娠中でも使用できるお薬はある一方、市販薬の中には妊娠中には避ける必要があるものもあります。
自己判断せずにかかりつけの産婦人科でご相談ください。

マタ旅について

妊娠中に夫婦で旅行に出る『マタ旅』がブームになり旅行会社からもたくさんの“マタ旅、お薦めプラン”なるものが出され誘われることも多いでしょう。また、授かり婚(赤ちゃんに失礼なので‘出来ちゃった婚’なんて言いません)なので妊娠中でも新婚旅行に行きたい方もいらっしゃるでしょう。でも、妊娠中の旅行には産婦人科のお医者さんの中でも妊娠初期や臨月を避ければ賛成(36%)、妊娠中は反対(46%)と賛否両論があります。しかし、「子供が産まれたらしばらく旅行に行けないから今のうちに!」などの理由で積極的に薦めている先生はいないと思います。個人的には“絶対反対”とは言いませんが、「本当に行かなければいけないの?」「行先は?」「この時期なの?」などご家族で十分にご相談してください。

マタ旅の危険性(TDRでの話)

少し古い話になりますが、2010年の「日本周産期・新生児学会」において順天堂大学医学部附属浦安病院産婦人科から次のような発表がありました。2007年1月1日から2009年12月31日までの期間、同施設およびその周辺施設から同病院には、2007年:41人、2008年:23人、2009年:22人と過去3年間に総数86人もの方々が緊急受診しています。その診断は切迫流産が一番多く40人(46.5%)、流産が18人(20.9%)、切迫早産およびその疑いが11人(12.8%)となっています。この人数は、2週に1人以上の割合で救急搬送されていることになります。中には、飛び込み出産1例、命に関わる常位胎盤早期剥離1例、子宮外妊娠1例、流産が18例、入院加療が必要な切迫流早産2例などもあります。TDRという特殊性もありますが、マタ旅は慎重に考える必要があると思います。

マタ旅の原則

  1. どの時期がいいの?
    妊娠初期、特に16週までは避けましょう。16~28週の間で、妊娠経過に異常がなければ1~2泊の旅行も可能と考えます。ただし、数日間かけて移動しながらの旅行はやめましょう。
    妊娠30週を超えると切迫早産が増えるので避けたほうが良いでしょう。
  2. どこまで行けるの?
    マタ旅でおすすめなのは、車や電車で行ける2時間くらいの近場の旅行が良いでしょう。車は運転していなくても緊張するので30分~40分毎に休憩を取り、リラックスタイムを作りましょう。
    遠方の場合は汽車、飛行機を利用して下さい。飛行機は機内の気圧が下がり破水しやすいという理由で嫌う先生方もいらっしゃいます。
  3. お楽しみもほどほどに!
    せっかくの旅行だからといって盛沢山な企画は賛成しません。疲れないように注意しましょう。
    目的はあくまでの気分転換やリラックスであることを忘れずに。単なるレジャー目的はやはりお薦めできません。
  4. 温泉でリラックスしたい!!
    妊婦さんが温泉に入ってもお腹の赤ちゃんに直接影響を与えることはなく、妊娠中に温泉に入ってはいけないというのは根拠のない基準であることがわかり、2014年から環境省によって「妊娠中の入浴」が禁忌項目から削除されました。でも、やはり入浴に際しては注意が必要です。

    【長湯は禁物】
    温泉に入ると、ほっとしますし、気持ちが良くついつい長湯をしてしまいます。でも、長く湯につかっていると、逆に疲れてしまうこともありますから気をつけましょう。また、露天風呂など温度差がある場所は要注意。体への負担が大きく、ふらついたりすることがあります。

    【転倒に注意】
    床がぬるぬるして滑りやすくなっている場所が多いです。転倒しないように気をつけましょう。

    【一人では入らない】
    一人のときに滑って転倒したり、脳貧血などで倒れる可能性があります。とくに早朝や深夜は、入浴場で一人になってしまうこともあるので避けましょう。

    【食後すぐはNG!】
    食後は、1時間くらいはのんびりしてから入浴しましょう。

マタ旅の必須アイテム

娠中は、急な体調の変化が起こる可能性が高くなります。旅行先で急変した場合に受診できる病院を、あらかじめ調べておきましょう。滞在先のホテルで医療サービスを受けられることもあります。必ず母子手帳と健康保険証を持参し、万が一の場合に備えます。
また、夏でもひざ掛けなどがあると良いと思います。クーラーの効きすぎている場所も多く重宝します。車であれば大きめのタオルなども準備しておきましょう。


赤ちゃんのあせも(汗疹)について

あせも(汗疹)とは

人間は体温が高くなると汗をかいて体温を調節しています。汗を上手に掻くことができずに汗腺の中にたまって炎症を起こした状態をあせも(汗疹)といいます。

赤ちゃんは汗っかき

赤ちゃんの小さな体には大人と同じ200万~250万個もの汗腺があるため、赤ちゃんは季節に関係なく大人の2~3倍もの汗をかきます。この大量の汗が原因で、汗腺を詰まりやすくしています。

あせもの種類と症状

  1. 紅色汗疹・・・小さな赤いぶつぶつ、痒みを伴う。一般的にあせもと呼ばれるのは、この紅色汗疹です。
  2. 水晶様汗疹・・・直径1~2mmの小さな白っぽい水泡(すいほう)ができる。

できやすい部位

あせもができやすい部分は、汗が乾きにくい部分です。頭部、顔、首回り、ひじの内側、わきの下、お尻、手足のくびれなどしわになりやすい部位です。

対処法

衣類は吸水性・通気性が高いものを選び、汗をかいたらこまめにふき取りましょう。(また、寝かせる場合、背中にガーゼなどを挟み直接汗を吸わせることも有効です。)シャワーや沐浴で汗を洗い流し、体を清潔に保ちましょう。また、エアコン・扇風機などを上手に活用し、室温を調節しましょう。目安として、寝ているとき背中にそっと手を入れて肌着が湿っていないか確認してみましょう。

いつまでも治らなかったり、かゆがったり悪化したと思われる場合は、小児科もしくは皮膚科の先生に早めに相談しましょう!


おっぱいトラブルについて

おっぱいのトラブルは授乳中であれば、いつでも起こるもの。夏も冬も根本的な原因は同じです!

夏のおっぱいトラブルの原因

冷房で体が冷えることにより血流が悪くなることで母乳の出が悪くなることや、汗をかいて血液がドロドロになるのと同じで母乳も濃縮され乳管が詰まりやすくなります。

冬のおっぱいトラブルの原因

冬の寒さで血流が悪くなり母乳の出が悪くなることや、冬は水分を取りにくくなってしまいがちなため、母乳が濃縮され乳管が詰まりやすくなります。

乳腺炎の症状

  • 37.5℃以上の発熱
  • 乳房のしこり
  • 疼痛
  • 発赤
  • 熱感

などがあり、24時間以内の初期対応が大切であると言われています。

自分でできる初期対応とは・・・

  • まずは赤ちゃんにしっかりと吸ってもらいましょう。
    効果的な授乳は出来ていますか?しこりがある部分に顎が来るように抱き、可能であれば圧迫授乳をしてみて下さい。亀裂などがあって上手く吸わせられない、痛くて吸わせられないなどの場合は、手でしこりの部分を圧迫しながら搾乳を行いましょう。
  • 体を冷やしすぎないよう注意しましょう。夏も冬も冷暖房を使用して体に負担のない室温を保ちましょう。
  • 一年を通して脱水に注意し、常にこまめな水分補給を行いましょう。
    また、アイスや甘い物の食べ過ぎなどは良くありません。
    食欲がわかないこともあると思いますがバランスの良い食事を心がけましょう。
  • お母さんの体調も大切です。しっかりと休息をとりましょう。

セルフケアを行い、改善しない場合は早めに受診をおすすめします。
セイントクリニックでは、おっぱいトラブルについて看護師が対応し、必要があれば医師の診察・薬の処方いたします。
まずはご相談ください。